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Channel: リオタデザイン|建築設計事務所
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【FP】オープンハウス終了しました

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昨日、「FP」オープンハウスを無事終えることができました。
今回はオープンな告知としたこと、観光地である川越市街地からほど近かったこと、春の気配を感じられる季節だったことなど、いろんな要素があったと思いますが、事前の問い合わせも大変多く、来場者も過去最多の57組で、のべだと120人以上は軽くいらしたのではないでしょうか。

嬉しい反面、こんなに来てしまうと我々も対応しきれなくなってしまい、次からはもうちょっとセーブしようかとも考えているところです・・。

ともあれ、昨日は大変賑やかなオープンハウスとなりました。今回はクライアントがオープンな方で、ソファやテーブルなど家具も入れた状態で是非お披露目をとおっしゃって下さったこともあり、今回は異例中の異例、”ほぼ入居”の状態でのお披露目となりました。来場された方は、生活シーンとあわせてこの家のコンセプトをより深く理解して頂けたことと思います。クライアントのご理解とご協力に感謝致します。



今回の住宅は、ご夫婦お二人の住まいであったこと、デザインを生業とするクライアントであったことなどもあり、隅々までクライアントの美意識を反映させた「大人の家」に仕上がったと思います。

シンプルな構成、そして仕上げの素材も最小限に絞り、ディテールの処理もなるべく表に出すぎないように抑制を利かせましたが、来場者の方達には高い施工精度と、それでも随所にちりばめられたさりげないディテールについても高いご評価を頂きました。

特に施工精度に関しては、今回私も「工芸品」と表現しましたが、いつもと同じように見えて全く異なる次元のものです。これはもはや我々の設計の手を離れて、優れた職人さんの手の力に依るところが大きく、いつも以上に作り手の重要性や存在感を強く感じたところです。

奇しくも大工さんも現場でこうおっしゃっていました。
「これは仕事じゃなくて、もはや趣味みたいなもんだ」

仕事をする方が、仕事を離れて「趣味」だと言って頂けるような境地、つまり自分の家や趣味の模型飛行機を作るように、当事者意識を持って仕事に向かって頂ける状態を作ることが、最良の結果に繋がるということも今回あらためて認識した次第です。



またクライアントの”車好き”は、この住宅の個性を大きく担っている部分ではありますが、必ずしもこの家の本質ではないような気もします。

それよりも、クライアントはジウジアーロがデザインしたランチアやパンダを所有されていますが、ジウジアーロのデザインの根底に流れる思想のようなもの、これはクライアントよりお聞きしたことですが『デザインのためのデザインではなく、本質を見極めながら、突き詰めた結果がカタチになる』といったことが、今回の住宅にも流れているような気がします。そういう意味で、今回は「ジウジアーロのような住宅」になった、とも言えるかもしれません。(ちょっとおこがましいでしょうか)


最後はやっぱりお約束の打ち上げ!
クライアントの計らいで、今回の打ち上げのコンセプトは”イタリアン”。おいしいワインも開けて頂きました。いろんな裏話や今だから言える話?に花が咲きました。今回は新しいスタッフも加わり、いつもと少し違う新鮮な会でした。夕暮れの外観もとってもきれいでした。

Sさん、お疲れさまでした。そしてごちそうさまでした!
まだいくつかの宿題も残っていますので引続き通うことになりそうですが、どうか末永くよろしくお願いします!


棟梁

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6寸勾配(約30度)の野地板の上を、軽やかにタッカーでタンタンタン・・と。高所が苦手な私は単管に掴まりながらそれを眺めておりました。

女棟梁、格好いい!

ガラリ風ルーバー

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クライアントが現場に着くなり、
私「ちょっとぉ!中庭見て下さいよ。すごいイイ感じなんですから!」

と、ちょっと前のめりに案内しちゃいました。来月竣工予定の「粕谷の家」の中庭ルーバー。いやぁ格好いいなあ!ヘルツォークのシグナルボックスみたいじゃないですか?と一人で興奮して、相手をおきざりにする私。


この住宅、南側隣地にアパートがあり、アパートの共用廊下からリビングが丸見えになっちゃうんです。そこで目隠し壁を作ったわけなんですが、ただ木を横張りしただけだと通風も遮ってしまうというわけで、一面を通風ガラリみたいにできないかと考えてやったのがこれ。



シンプルな仕掛けだけど、なかなか機能していると思いません?
でしょでしょ?いやーありがとうございます!

クライアントがポツリ。
「あんなに嬉しそうに話している関本さんを初めて見ました」

そうですか?
これがあるから、建築はやめられないんです!

建築知識4月号

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「建築知識4月号」(エクスナレッジ)が発売となりました。今号では先日川越で竣工した「FP」の現場を密着取材して頂いておりました。掲載の分量もかなりのものです。

それはおいおいご紹介するとして、今回の特集のタイトルです。

このエクスナレッジという会社、とにかくタイトルの付け方がエグいという話は以前書きました。「一生使える」とか「死んでも」だとか、まあ泥臭いのなんの。

もちろん”振り”ですよ?あたりまえじゃないですか。今回リオタデザインがかなりフューチャーされているわけですから、「あの世でも使える」とか「死んでも生き返る」だとか、それを越えるタイトルは欲しいところです。わくわくしますね。

で、結果


『現場写真で学ぶ実施図面の描き方』

普通っ!
あまりに普通のタイトルに吹きそうになりました。そうですかそうきましたか。狙っているのか天然なのか測りかねますが、さすが天下のエクスナレッジ、裏切らない会社です。

で中身です。
今回は建築知識編集部が誇る でこぼこ 名コンビ、西山&峯山(通称N&M’s)コンビが編集を担当しています。今回はいくつかの設計事務所が描く実施図面にスポットを当てるということでしたが、結果的に現場取材も敢行することになり、毎週我々が現場に行くときは必ずコンビのどちらか(時に両方)が我々に同行して下さることになりました。

中でも女性編集者の峯山さんはまだ若くて、「ここはどうしてこうしているかわかる?」という具合に、彼女には自分のスタッフのように現場を教えたつもりでした。そんな峯山さんをベテラン西山さんがサポートする体制でしたが、西山さんが同行しないときの峯山さんの活き活きっぷりの話は、ここでは書かないことにします。

そんな密着取材状態のFPは、いつもとは少し違う現場となりました。思い入れも深いです。帰りにはいつも角のパン屋でお総菜パンを買い、「編集がんばって下さいね」という気持ちで渡していましたが、こちらはあとで請求書をお送りさせて頂きます。



我々の事務所もまだまだ未熟ですが、これまでの蓄積もそれなりにはあります。実施図面にもそんなノウハウを隅々に網羅しているつもりですが、今回は雑誌向けにずいぶんそれをオープンにして公開しています。ご興味ある方は是非手に取ってみて下さい。(うちの関係記事だけで30ページくらいあります)

ちなみに今回、リオタデザイン以外にも3事務所の図面や現場が紹介されていますが、正直言ってウチ以外は皆超大御所事務所です。そこにリオタデザインが肩並べている意味がわかりません。私のせいじゃありません。許して下さい。


そうそう、N&M’sさんとはプレカット工場も行きましたっけね。
その時の記事も載っています。タイトルはと・・えっと、どこかで見たことあるような?

リオタデザインブログ(15.1.29)

やられました!さすがエクスナレッジです。手段を選ばない。
この泥臭さを私も見習いたいと思います。

西山さん、峯山さんお疲れさまでした!
取材とても楽しかったです。

馬事公苑の家

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本日プレゼンがあり、馬事公苑の近くでまたあらたな家づくりが始まります。
去年の暮れからたまりに溜まっていたプレゼンをこれでようやくすべて消化し、私としては夏休みの宿題をようやく片付けた心境でしょうか・・。

このクライアントとは3.11の震災前に一度ご相談があり、震災により一旦全てがリセット、そして去年の暮れにようやく再スタートを切った案件ですので、ある意味4年越しの計画ということになります。

今回は珍しく、お子さんも要望書にたくさんコメントを書いて渡してくれました。これはそれにも応えないとと子供室も工夫し、模型も作り込んで臨んだのですが、「わぁ!」というリアクションを期待していた当の子供たちは、なんだか興味なさそうに終始ゲームに夢中で・・涙。

ともあれ、賑やかな家づくりが始まりそうです。
Sさん、よろしくお願いします!

S邸新築工事/志木市

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構造規模 未定
施工会社 未定
竣工予定 未定

大宮公園の桜

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毎年この季節になると必ずやってきます。
大宮公園はのどかで、また高校時代の思い出(弓道場があります)もいっぱい詰まった場所でもあります。

公園の桜は全体には五分咲きでしたが、部分的には満開!
本当に暖かくて、気持ちの良い一日でした。


N邸新築工事/新座市

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構造規模 未定
施工会社 未定
竣工予定 未定


JIAセミナー『外とのつながりを考える』

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来週末になりますが、OZONEにて建築家の中澤克秀さん、濱田昭夫さんと共にセミナーを行います。テーマは 『外とのつながりを考える』

4/11 (土)11:00~12:30
会場:6F OZONE 子育てふぁ~む 定員:40人

住宅も室内だけではなく、外との積極的なつながりを考える良い季節になりました。外とのつながり方もひとつではなく、様々な形がありますね。いろいろ事例を交えてご紹介したいと思います。皆さま、是非足をお運び下さい!

詳しくはこちらより↓
http://www.ozone.co.jp/event_seminar/seminar/seminar_a/detail/1821.html

逃避行

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先の予定が立てられないのは、この仕事の宿命かもしれない。現場は予定通り進んでくれた試しはないし、クライアントからは昼夜を問わずメールが来る。そして問題はいつでも起こるべくして起こるのだ。

事務所に勤めていた頃、現場が終わったら行こうと何ヶ月も前から計画していた北海道旅行が、直前になって現場の遅延で流れたことがあった。「行くの?」との所長の一言に、行きますとは言えなかった。

この春休みに沖縄に行こうと決めた。
私は所長だ。何が起こったって知るもんか。

名護市庁舎

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名護市庁舎。一本の巨大なガジュマルの木のようだ。

象設計集団はこの市庁舎の設計で建築学会賞を受賞している。私は18年ほど前に一度訪れているが、今回の再訪には正直鳥肌が立った。時が経つほどに魅力が増し、市民に開かれ、風土をこれほどまでに反映した建築の例を私は知らない。

沖縄には琉球王国の城(グスク)の数々が世界遺産に登録されている。古代遺跡のような佇まいのこの市庁舎もまた、世界遺産に相応しいと私は思う。琉球王国が現代にあれば、こんなグスクだったに違いない。

トンガリの家・写真アップしました

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昨年竣工した「トンガリの家」の写真を[作品]にアップしました。
>> http://www.riotadesign.com/works/14_tongari/#wttl

写真家は新澤一平さんです。

撮影日を設定して、ずっと快晴の日が続いているのに、撮影日になると雨、というのが3日くらい続きまして、日延べに次ぐ日延べ。撮影日がズレると、スケジュール調整もさることながら、クライアントも”その状態”を維持しないといけないので精神的にも堪えることになります。とくに元気盛りの男の子がいる家庭はなおさらですよね。

今回は根気強くお付き合い頂きました。なんなら、定期的にこういう機会作りましょうか?という。常に美しさが保たれますから笑


新澤さんには、「是非お子さんを入れたカットを」とお願いしたのですが、とても素敵な写真を撮って下さいました。クライアントさんも良い記念になったことと思います。

さてトンガリの家、敷地が三角なので、建物も三角です。いや、正確には三角でもなくて、多角形平面に多角形屋根を乗せています。設計もさることながら、施工もかなり大変だったと思います。でもできました。

基礎的な要素をキチンと積み上げてゆくと、ちゃんと最後にはできあがるというのが物づくりの面白いところです。


こういう写真だけ見せられると、建築家の家って斬新だなあという印象を持つ人がいるかもしれませんが、それは誤解です。普通ですよ。ごく普通に、あたりまえのことをコツコツ解決していった形がこうなっているということなんです。

だって、敷地が三角なんですよ?そこにどこにでも建つような四角い家建てたら、そっちのほうが空気読んでないってことになりませんか?読もうよ空気。熱湯が張られていたら、自ら飛び込めって事ですよ。

と上島竜平を見ながら思うわけです。

人生劇場

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家づくりで起こることは、人生で起こるすべてである、といつも思う。我々の仕事はクライアントにとって、おそらくは一生に一度の家づくりをサポートする仕事だ。だから重い。逃げ出すことも、投げ出すこともできない。

設計者はよく自らの仕事を物づくりと称するが、釘一本打たない人間が物づくりとはおこがましい。大工は木と向き合うが、我々が向き合うのは人間である。我々の仕事は人と人との関係性を整えたり、ものの考え方や見方、ひいては相手の人生を作る仕事だとも言える。

人間は難しい。答えはひとつではない。ある人にとっては正解であっても、ある人にとっては間違いであることもある。ある人は大らかに受け入れ、ある人は些細なことにも拒絶反応を示す。

建築にとって一番大切なこととは何だろうか。
学問に通じていることだろうか、傑出したデザイン能力であろうか、人々を魅了する話術であろうか。

私は相手の気持ちになって考えることだと思う。クライアントに寄り添い、共に悩み、共に笑うこと。当事者意識こそが建築にとって最も大切な素養であるような気がする。

しかし人間は難しい。それを心がけているつもりでも、時に思わぬ一言が誤解を招いたり、相手の機嫌を損ねてしまうこともある。私もまだまだ成熟には程遠い。

今週は濃密な一週間だ。ここ6日間で7組のクライアントとの打合せが続く。議論し、乗り越え、その悲喜こもごもを共有する。我々が向き合うのは人間そのもの。明日もまた、あらたな人生劇場が幕を開ける。

ダブルスキン

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自邸中庭の改修がはじまりました。
足場のメッシュが、いまどきのダブルスキンのようで案外格好いい!

粕谷の家・あともう少し!

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今日は間もなく竣工予定の「粕谷の家」の施主検査がありました。

朝から、いや正確に言うと先週くらいからずっとドキドキしていました。施主検査を受けるときはいつもそうですが、まるで受験当日を迎える受験生の気分です。
「あんなにがんばったんだから大丈夫」という思いと、「想定外の問題(しかも致命的なやつ)が出たらどうしよう」という不安な気持ちが相半ばします。

結果から言うと全体にはさほど大きな不具合はなく、検査は無事終了しました。
そりゃあ毎週目を皿のようにして、胃をキリキリさせて?、現場チェックに勤しんできたわけで、ここで何かあったら困るわけですが。何よりクライアントに喜んで頂けたことで、やたらと重い何かをようやく肩から(半分くらい?)下ろせたような気分です。

そしてふと気が緩んだところに、植栽がドカドカと運ばれてきました。
いよいよ”ストライカー”こと、湊さん(真打ち)の登場です。


湊さん、持ってくなぁといつも思います。
おいしいとこ、みんな持って行っちゃう。

植物ってすごいです。私は住宅も、がらんどうよりも家族や家具がそこにあった方が何十倍も引き立って見えると思っていますが、植物の持つ力はそれを凌駕しています。

我々も設計から現場まで1年半にも及ぶ期間、途方もない労力を一件の家にかけてきているわけですが、最後に乗り込んできた植栽仕事にあっけなく「負けた」と思わされるのは、もう慣れっことはいえ複雑な思いです。

もちろん勝った負けたではないのでしょうが、建築は時に植栽を活かすための背景にしか過ぎないのではないかとすら思うのです。極論ですが、美しい庭さえあれば、人間は十分幸せに暮らしてゆけるような気がします。


植物が大好きなFさんご家族も大喜び。次々と運ばれてくる植栽を楽しそうにいつまでも眺めていました。

そして私も…よく海を眺めると自分をちっぽけだと感じると言いますが、建築のちょっとした傷だとか、汚れだとか、納まりの不具合にちょっと前まで目を吊り上げていた自分が情けなくなるくらい、大らかな気持ちで植栽に癒やされている自分がいるのでした。

ここでお気づきでしょうか?
まだ一枚も「粕谷の家」の内部写真を公開していないことに。

ムフフ、この家脱いでもスゴいんです。でもまだ見せませんよ。
来週のオープンハウスは申し訳ありませんがクローズで行います。
幸運なご招待者はどうかお楽しみに!


中庭が生まれ変わりました!

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先に書きました中庭改修の足場がようやく外れ、中庭が生まれ変わりました。

外壁の打合せではよく「メンテナンスフリーでお願いします」というご要望を頂きます。メンテンスフリー、いいですね。まったくをもって賛成です。

ですが私の家はそれに反して本当に手のかかる家なんです。なんといっても外壁に木を張っているんですから。定期的に再塗装も必要です。しかも足場を掛けないと高所には手が届きません。

一体なんてことしてくれたんですか!こんな手のかかる家を。
これがクライアントなら今にもお叱りのお言葉を頂戴しそうです。
でもいいんです。だって私んちなんですから。

でも思うんですけどね、手かければいいんじゃないですか?

手のかからないお子さんがご希望ですか?ドラマに出てくるような。でも自分の子供はかわいいでしょ?まったくをもって手がかかる。でもそれが愛着なんです。

というわけで、私としては少々傷みの目立ってきた我が家の外壁に、オイルを塗る日を実はとても楽しみにしていたんです。実は我が家の外壁、竣工以来”無塗装”です。何にも塗ってません。レッドシダーに何も塗らないで何年持つかの壮大な実験をしていたんです。

結論…8年。正確に言うともっと持つと思うんですけどね。ヒビが入っているところもありますし、もう見るに見かねてというか、これ以上引き延ばすと取り返しのつかないことになるような気もして、ここらで塗装に踏み切ることにしました。

待ってろよ、今塗ってやるからな!



わかるでしょうか?上がBeforeで、下がAfterです。
もうちょっと寄りで見てみましょうか。



だいぶきれいになりました。今回調色にもちょっとこだわりまして、いつもはキシラデコールを単色で塗るのですが、現在のちょっとくすんだ外壁も意外と気に入っていまして、これを単色で塗りつぶしてしまうのはちょっともったいないなあと思っていました。

そこでキシラデコールの色を薄めて、やすらぎ(乳白色)とチーク色を9:1に配合してもらいました(チークが1ね)。チークが1なのに、案外しっかり色が付くこともわかりました。この実験結果はまた今後に活かしたいと思います。

玄関もこの通り。



こちらは、やすらぎとピニーを5:5に配合しています。もうちょっと黄色くなるイメージだったんですが、自分でもちょっと予想外の色になりました。これはこれですごくいい感じです。

足場が外れてなんだか家を新しくしたような気分です。
リフレッシュして、家も喜んでいるように見えます。



今回施工は、この家を建ててくれた堀尾建設さんにお願いしました。堀尾さんはいつも本当に対応が良くて、その後も何かと細かいお手入れをお願いしています。

これから家を建てようという方は、工務店さんとの関係は本当に大切にした方が良いと思います。いったん関係がこじれてしまうと、困ったときにもう電話できなくなっちゃいますから。

それは設計者とも同じですけどね笑

我が家も9年目に入りました。最近ますます魅力が増してきたなあとしみじみ思います。空間の魅力って愛着なんでしょうね。

免罪符

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竣工直前、現場はクリーニング、私はもうひと仕事。
現場に貼られたシールを剥がしてまわる。

これなんなんですかね、ベタベタと。
どんだけ重要なことが書かれているのかと思いきや、

「この製品はガラスのため破損することがあります」とか、
「硬いものでこすると傷つく恐れがあります」とか。

知ってる。
見ればわかるし。

PL法ってやつなんでしょうか。要は「言ったかんね、だからこっちには責任ないかんね」っていう。責任を全うするんじゃなくて、無責任を全うするための免罪符。

いいよいちいち貼らなくて、て思うんですが、いるんでしょうね、クレーマーが。「書いてなかったから破損したじゃないの!」とか言う人が。デザイナー泣いてるよ。この製品デザインした人が。そして、それスペックした設計者が。

わかった。まあいい。でも一言言わせてもらおう。
もっと剥がしやすくしてくれ。

粕谷の家・オープンハウス終了!

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「粕谷の家」オープンハウスが無事終了しました。限定公開だったにもかかわらず、大変多くの方に足を運んで頂き、誠にありがとうございました!

まだ明日が引渡しなのでまだ気は抜いていませんが、肩の荷をもう八割くらいは下ろしたような気分です。



この粕谷の家、設計から竣工まで約1年半かかりました。ですが、実はこの家ができるまでには約10年の時間がかかっているのです。

クライアントのFさんは、私がまだ駆け出しの頃、事務所も中目黒の雑居ビルのようなところで、まだほとんど仕事もないような時代に、私に仕事の依頼をして下さいました。

まだ何も実績もない私に仕事を頼むなんて、よほど勇気がいったと思いますが(実際まわりからは猛反対をされたそうです)、その反対を押し切ってFさんは私に開業の設計依頼をして下さいました。

そこから時は流れ、Fさんは家が建てられるだけの資金を、私はそれに応えられるだけの経験を蓄積し、再びこうして設計のご依頼を頂けることになりました。これは設計者にとって身に余る光栄と言えます。



このように書くとよくある美談のようですが、私とFさんの関係というのは一筋縄ではありません。付かず離れず、端から見ても仲がいいんだか悪いんだかわからないような関係だったかもしれません。実際今回の家づくりでも、お互いの関係には何度か緊張が走ったこともありました。

でも私は、Fさんの住宅を設計できるのは私しかいないとずっと思っていたのです。根拠はありませんが。クライアントと設計者という関係以上に、我々には苦楽を共にしてきた”同志”のような感覚があります。私の立場でこのような事を書くのは、とても僭越なことだとは思いますが…。

それゆえに、今回の家づくりはまさに10年越しのプロジェクトだったのです。私の肩の荷がいかに大きいものであったか、ご理解頂けたでしょうか。



また今回もうひとつの大きな収穫は、担当スタッフの山口が大きく成長してくれたことです。現場監督ともウマが合ったこともあるのでしょうが、あらゆる状況で私の感覚を先回りして動き、納めてくれました。

また施工を担当した解良工務店・鞭木さんの、気骨ある仕事の姿勢にもとても共感しました。様々な困難やトラブルを文句ひとつ言わずに解決してくれたことに、心から感謝を送りたいと思います。


オープンハウス終わりには、Fさんが恒例の”打ち上げ”を開いてくださいました。現場監督も駆けつけて下さり、現場におけるこぼれ話に花が咲きました。

毎回のことながら、私は本当にこういう席が嬉しくて、うっかりすると涙が出そうになります。あぁ最後にみんながお互いを称え合い、笑って終われる家づくりっていいなあと、しみじみ思うのです。

最後には娘さんからもサプライズのお手紙を頂きました。
本当に嬉しいです。りおちゃん、ありがとう!

Fさん、あらためましてご竣工おめでとうございます。
また関係者の皆さま、お疲れさまでした!

銘板

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うちでは住宅が竣工すると”銘板”を作って取り付ける。
これはビルに良くある「定礎」のようなものだとも言えるし、画家が最後に行う署名のようなものだとも言える。

いつもはリオタデザインの名前のみなのだけれど、今回はクライアントの意向もあり、工務店の名前も入れてみた。

これまでどうしてそうしなかったのだろう。この家は俺が作ったんだ、とみんなが言えるといい。そして同時に責任も感じてもらいたい。

生きること

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知人の建築家が急逝した。享年45歳だった。

彼は一度だけ私のオープンハウスに来てくれたことがあった。その後もSNSやブログ等を通じて、彼の活動や近況は身近に感じていた。年齢が近いことや共通の知人がいたこと、同じ埼玉をベースに置いていたこともあり、彼には親近感を覚えていた。

亡くなったその日も、彼は朝から元気な近況を残していた。だからその日のうちに亡くなったという事実は、私にとってはあまりに衝撃的だった。

私の父は50で他界した。周囲は若いのにと落胆したが、私には父が若かったのかそうでなかったのかはわからなかった。子供にとっては、親に若いも老ているもないからだ。

しかしいつからか、私は父の歳まで生きるのが目標になった。この感覚は親を亡くした者にしか解らないと思う。残された子は意味もなく、親の死に自分の宿命を重ねるものなのだ。

40になった時あと10年だと思った。今43だからあと7年。もちろん、50で私は死ぬわけではない(と思う)。実際今私はピンピンしていて、死ぬ気配は微塵もない。けれども「急がなくちゃ」という強迫観念が私を支配する。

知人の建築家は朝仕事をして、子供と野球をし、その日の晩に亡くなったという。死を身近に感じると、人は怖気付くようだ。夜家族と食卓を囲みながら、やっぱ死にたくない、と強く思った。

残されたご家族に想いを馳せるといたたまれません。
故人に心よりご冥福をお祈り申し上げます。

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